障害者の社会復帰【就労移行支援】

病気にかかり療養した後、また働きたいと思えるまで回復しても、二の足を踏んでいる人は多いんじゃないでしょうか。

障害を抱えた状態で社会復帰を考え始めたとき、真っ先に浮かぶことがあります。

仕事相手に迷惑をかけてしまうのではないか。
一緒に働く仲間に自分の事がうまく伝わらないのではないか。
そもそも、自分に社会復帰は可能なんだろうか。

本当は社会復帰したいのに、一歩を踏み出せず困っていませんか。

しかし、その不安を乗り越えて社会復帰を果たしている人はたくさんいます。

どのようにして社会復帰しているのか、どのような福祉のサポートがあるのか見てみましょう。

就労移行支援とは

就労移行支援をご存じですか？

就労移行支援とは就労を希望する６５歳未満の障害のある方に対して、生産活動や職場体験の提供、就労に必要な知識、能力の向上のための訓練、および就労に関する相談や支援を行う活動のことです。国からの認可を受けて運営しています。障害のある方の就労までの道のりをサポートする役割があり、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病の方が対象となります。障害手帳をお持ちでない場合も医師からの診断書や自治体の判断によって利用ができる場合があります。（詳細はお住いの自治体にご相談ください）

つまり障害者総合支援法で定められた国の障害福祉サービスの一つで、
障害のある方が働くまでの道のりをサポートしてくれる支援の事を言います。

就労移行支援【manabyマナビー】

ではこのサポートとは一体どういった事をサポートしてくれるのでしょうか。

今回は就労移行支援を行っている団体の一つ、【manabyマナビー】を例に細かい内容や、利用の流れを見ていきましょう

在宅×ITスキルで障害や体調にあわせた働き方を【就労移行支援manaby】

こちらのマナビーでサポートしていることは大きく分けて次のステップに分かれています。

では具体的に見ていきましょう。

相談・目標づくり

まずは現在の状況や将来の希望を支援員に相談しながら、一人一人に合わせて計画を立てていきます。

相談料は無料です。

専門の資格を持った職員が就職に向けて一緒にプランを作成します。

障害の特性により外出できない方も、自宅で訓練をされています。

当日相談、家族からの相談もOK。

LINEやオンラインでの相談も可能です。

就職への準備【スキルアップ　eラーニング】

将来の希望や目指す働き方に合わせて、仕事をしていく上で大切な様々なスキルを学んでいきます。

就職に必要なビジネスマナーやパソコンスキルなどの習得をサポートします。

パソコンスキルがゼロでも、基本的なPC操作から順番に学ぶことができます。

manabyには独自に開発した【eラーニング】というコンテンツがあります。

利用者の声を反映させながら改良を重ね、新しいコンテンツも随時追加しています。

たくさんの選択しがあるので、自分に合うものを選び、自分のペースで学んでいきます。

仕事体験

仕事を想定した実践的な訓練を行います。企業での職場体験や実習をすることもあります。

就職活動

早い方で3ヶ月ほどで就労が決まります。

web系などの専門スキルを身につけたい方は１年ほど学んだ後、就職しています。

情報収集から履歴書の作成、また面接練習などを支援員のサポートを受けながら進めます。

支援員が面接同行や企業との連絡代行をすることもあります。

定着サポート

就労から６か月間、実際に働いてみての問題や困りごとを支援員に相談することができます。就職先の企業と連携して働く環境を整えてくれます。安心して働き続けるためのサポートです。

対象となる障害の種類

マナビーでは次の障害を持つ方を対象に支援しています。

• 身体障碍
• 発達障害
• 精神障害
• 知的障害
• 難病

上記障害を持ち働く意欲のある方。かつ１８歳から６５歳未満の方が対象となっています。

※障害者手帳をお持ちでなくても、医師の診断や自治体の判断によって、利用できる場合があります。詳しくはお住いの自治体にご相談ください。

障害の特性により外食できない方も、自宅で訓練することができます。

週５も働く自信がない。
体調が安定しない。
面接が受からない。
人間関係がつらい
仕事が続かない

こんな不安を持つ人たちが相談しています。

専門スタッフが話を聞いてくれるので、安心して相談できます。

主な職種

• 総務
• データ入力
• 営業事務
• カスタマーサポート
• プログラマー
• システム運用
• デザイナー
• 販売
• 生産工程

７割の方が事務職に就き、２割の方がプログラミングやデザインに携わる仕事についています。

利用できる期間

最長２年間の中で、一人一人の状況に応じて期間が決まります。

利用料金

各人により異なりますが、９割以上の方が無料で相談しています。

障害福祉サービスなので、利用料金は自治体の負担となりますが、前年の世帯所得により自己負担が発生する場合があります。所得に応じて次の４区分の負担上限金額が設定され、ひと月に利用したサービスに関わらず、それ以上の負担は生じません。

利用開始までの流れ

１，お問い合わせ

在宅×ITスキルで障害や体調にあわせた働き方を【就労移行支援manaby】こちらから

まずは通える範囲で自分に合いそうな事業所を探し、Webサイトや電話で連絡をします。

そして興味があれば見学の日時を決めます。働き方についての希望や、現在困っていることなどを伝えると、見学の際に支援員からのアドバイスを受けることが可能です。

２，見学・相談

事業所の雰囲気や支援内容について、実際に訪れて確認しましょう。manabyでは、就職に対する想いや不安などをお伺いしながら、どうしたら実現できるのか、解決できるのかを一緒に考えていきます。就労移行支援の利用対処となるかどうか、利用料金が発生するのかなどが気になる場合は、早めにお住いの市町村の障害福祉課などに問い合わせるとよいでしょう。

３，体験

manabyでは、利用前に訓練を数回体験していただきます。訓練で使用するeラーニングを視聴したり、事業所のレクリエーションに参加したり、ご希望を伺いながら体験日を設定します。

４，受給者証申請・計画相談

利用する気持ちが決まったら、お住いの市町村の役所の障害福祉課等に、就労移行支援を利用したい旨を伝えてください。書類を準備して、障害福祉サービス受給者証の申請をします。利用申請時には、【サービス等利用計画】が必要になります。この書類は計画相談支援を行う【指定特定相談支援事業者】が作成することが前提とされていますが、地域によっては事業者の数が足りないため、自分で計画書を作成する【セルフプラン】が認められていることもあります。申請の際に、合わせて窓口でご確認ください。なお計画相談支援の利用は無料です。役所の職員による【障害程度区分の認定調査】が行われ、サービス支給の決定について検討されます。

５，利用契約

障害福祉サービス受給者証が発行されたら、事業所との利用契約を行います。

６，利用開始

事業所で面談を行い、職員が【個別支援計画】を作成します。定期的に面談を行い計画を見直しながら、計画に沿って就職を目指します。

新しい自分の居場所を作るということ

個人的な感想ですが、

自分にとっていい環境というのは、その職場の仲間がどのような人たちか、上司がどのような考え方を持っているか、これに尽きると思うのです。

これは障害は関係ありません。

大切なのは相手を思いあって働くことができるかどうかです。

もちろん、障害を抱えたこちら側も、相手のことを考えなければなりません。

一度の就職活動で、そんな最高な職場にたどり着ける可能性は低いでしょう。

やはりこれも障害の有無は関係ないのです。

あきらめずに自分の居場所を探すことができたら、いつか誰かに必要とされ、またこちらも誰かを必要とする、持ちつ持たれつな関係で働くことができるのではないでしょうか。